小山田 洋子
アート職群
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oyamada
yoko

森美術館の
コーディネーターとして、
様々な専門チームと連携し
現代アートに触れる場を
つくる。

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小山田 洋子
アート職群
career
経歴

2011年〜2016年:政府系文化機関

2016年〜:森ビル株式会社 文化事業部 森美術館

skill
経験・スキル

・海外留学で学んだ近現代美術史

・展覧会制作、海外巡回等のコーディネーション

why
志望動機

前職では文化芸術交流事業を行っている政府系文化機関で勤務していました。日本の文化芸術を発信する業務に携わっていましたが、海外でも高い評価を得ていた森美術館には常に注目していました。そんな時、キャリア採用があったのを機に正規社員として森ビルに入社しました。

profile_Oyamada Yoko

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現在はどんなお仕事をしていますか?

文化事業部の森美術館にて、展覧会制作のコーディネーターを担当しています。
美術館ではキュレーターが展覧会のコンセプトづくり、アーティストや作品の選定や解釈を行う立場に重心があるのに対して、コーディネーターはアーティストやキュレーター、会場設営スタッフなど様々な関係者をつなぐ「ハブ」のような存在であり、展覧会という一つのプロジェクトを具現化するにあたって、大きな役割を担っていると思います。
具体的な業務は様々で、社内の調整はもちろん、アーティストとの対話や調整、他の美術館の所蔵品を借用するような際はその手続き、美術品専門の輸送会社や設営会社の手配、展示作業の管理などなど。森ビルや森美術館が所有する美術作品のコレクション、パブリック・アートの管理なども行います。また、森美術館での展覧会が海外に巡回することになれば、その対応にもあたります。苦労も多いけれど仲間の支えもあるし、手がけた展覧会に多くのお客様が足を運んでくだされば本当に嬉しい。作品が運び込まれてから、アーティストや展示に関わる様々な人たちとともに全ての展示を終え、会場全体を最終点検する。そこでオープニング後の会場の賑わいを想像するときが、最も楽しい瞬間です。

前職のスキル・経験はどのように活きていますか?

前職では主に海外で開催される展覧会事業のコーディネーションを担当しており、業務内容は現在と似る部分も多くあったと思います。森美術館のネットワークとは異なる国内外の幅広い美術館や関係者と協働する機会があり、この間に得た知識と経験、多角的かつ客観的な視点を持てるようになったことは今の仕事にも活きていると感じます。
また、海外での展覧会実施経験は、2019年に森美術館で開催した「塩田千春展」がアジア大洋州地域を巡回することになり海外関係者と対話する際などにも役立ちました。

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森美術館の運営上の特色を教えてください。

森美術館の大きな特長として、海外の大型美術館の組織編成モデルを導入していることがあげられると思います。日本では通常「学芸員」の方が展覧会に関する様々な業務を包括的に担うケースが多いと思いますが、森美術館では、キュレーター、コーディネーター、さらには展示設計やラーニングなど、専門性ごとにチームが分かれ、それぞれが自分の役割に専念できる組織編成になっています。しかし、これは森ビルの社風だと思うのですが、各チームが縦割りでバラバラになることはなく、チーム力を発揮して最善のプロジェクトを実現するために動きます。
海外の組織モデルと森ビルの社風が融合して、森美術館ならではの運営が成り立っていると感じます。このチーム力は、アーティストや社外の関係者との密なコミュニケーションを可能にし、企画や運営を成功させるための、森美術館の強みと言えるかもしれません。

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お仕事の魅力・やりがいは
どんな所に感じますか?

森美術館は現代美術を扱っているので、アートシーンや様々な分野において、今まさに活躍中のアーティストや新進気鋭の方々とやりとりすることが多く、美術に携わってきた者としてはそれだけでも醍醐味を感じます。アーティストが全力で作り上げた作品をどのように展示し、魅力のすべてを来館者に知っていただくか。斬新な作品も多いだけに、私たちの能力やチャレンジ精神も試されることになります。
また、六本木ヒルズには自主企画展で運営する森美術館の他に、「東京シティビュー」「森アーツセンターギャラリー」という二つの文化施設があります。これらの施設では社外の方が企画した展覧会も行っていますが、私たち文化事業部も森ビルの窓口として、企画、運営、作品展示や会場設営を含む展覧会制作など、様々な側面で関わっています。各施設の展示テーマは非常に幅広いため、現代美術以外の作品やテーマの切り口、展示方法に刺激を受けることも少なくありません。

これまで携わった中で
印象に残る展覧会やイベントを
教えてください。

森美術館と国立新美術館との2会場を使って東南アジアの現代美術を紹介した、2017年の「サンシャワー展」です。森ビルに入社して初めて携わった展覧会だったこともあり、大きな展覧会を作り上げるチームの一員となれたことや、これまで培ってきた経験を活かせたことはとても印象に残っています。
また、展覧会ではありませんが、「六本木アートナイト」も印象深いイベントです。アートナイトは2009年から開催しているアートの祭典で、コロナ禍の2020年、2021年は現地開催は中止になったものの2022年に再開されました。
今では様々な地域でアートイベントが行われていますが、東京の都心で、これだけの規模のプロジェクトが生まれたことは、森ビルが2003年の六本木ヒルズ開業以来、街にアートを根づかせ、多様な関係者を結びつける素地づくりに真摯に取り組んできたことも背景のひとつにあったからだと思います。

schedule 1日のスケジュール

  • 9:30
    出勤、メールチェック
  • 10:00
    プロジェクトチームの定例会議
  • 11:00
    広報チームに出す資料の作成
  • 12:00
    ランチ
  • 13:00
    アーティストと森美術館内で打ち合わせ
  • 14:30
    都内で展覧会の視察など
  • 17:00
    帰社、予算書の作成
  • 18:15
    退勤

private プライベート

休日もよく美術館やギャラリー巡りをしています。美術作品の素晴らしさに感動するのはもちろんですが、鑑賞中に、図らずも仕事のヒントを得ることも少なくありません。美術を通して好きなことを再認識し、リラックスできる大切な時間です。

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